日本ではお盆、イタリアでも8月15日は「Ferragosto(フェッラゴスト)」で祝日。今週各地でいろんなお祭りがあります。
今日は8月16日「国営放送の夜8時のニュース」（日本で言えば7時のニュース）を押してでも「ワクワクする血踊るような特別なレース」をゴールまで生放映されます。
お付き合いのほどよろしくお願いいたします。
フェッラゴストは起源18年から続くローマ多神教の農耕作業の終了を祝うConsualia(コーンスス祭8月21日)と言われてます。
このお祭りのメインイベントとして馬やロバなどいろんな動物のレースが行われ、優勝賞品としてPallium(パリウム)=Palio（パリオ）を贈呈した習慣がありました。（宗教的なお祭りは別の機会に）
今日ご紹介する「シエナのパリオ」はキリスト教のMadonna di PrvenzanoとMadonna Assunta(聖母の被昇天)に合わせたお祭りで7月2日と8月16日に毎年行われます。中でもシエナ人たちがCarriera（カッリエーラ：トスカーナ弁だとハッリエーラ）と呼ぶ裸馬のレースは国営テレビでニュースを押しのけて全国的に中継される大イベント。
歴史的なストーリーを深掘りするのは別の機会として、1200年代に遡るこのレースはシエナの街17地区（Contrade : コントラーデ）から選出された10地区（前年度選ばれなかった7地区＋3地区抽選）から当日カラフルな中世の衣装を纏った鼓笛隊・旗振りなどなどの大行列。
ドウオーモから通常石畳に土を入れたPiazza del Campoの周りを練り歩いた後夕方7時頃から行われる裸馬のレース。
騎手は地区で雇われ（1年間の生活が十分出るほどの金額で）が、傾向としては縁を重要視するものの金額によっては裏切りも。地区同士の対抗や同盟があったり、ゲートインする前に騎手に与えられた金額（地区によっては数十万〜数百万円単位）による対抗馬を抑えるための口約束での買収（実行されない裏切りも）、最終馬の騎手はゲートイン済みの隊列の悪さを待ったり、馬のせいにしてゲートインを数回行うこともあったり、「いかにも」な泥臭い人間同士の駆け引き、レースが始まればコースの緩い上りから下るコーナー（外側に白いクッションのあるコーナー）での落馬や激突。。。3周し騎手が乗っていても乗っていなくても1番でゴールした馬の地区が優勝。応援する各地区の熱烈さはサッカーの応援以上にスゴイですが、優勝した騎手は多少手荒い祝福を受けます。それ以外の騎手はボコボコに。。。命がけです。
今年7月2日の優勝はDrago地区。
全地区の旗とチーム名でDrago地区の位置はこちら。
8月16日のレースは赤ワクで記した10地区が登場します。
Leocorno・Pantera・Civetta・Drago・Tartuca・Nicchio・Giraffa・Valdimontone・Lupa・Bruco 。
春先から街中を練り歩く、旗振りの妙技を観るのも楽しいですし、鼓笛隊の練習行進風景にも出会えるのもこの街を訪問する楽しみですよ。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございます。
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