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イタリア食の歴史 <<<概略>>> 2

前回 ー  1 ー からの続き

 

日曜日に。。。

堅い話で申し訳ありません。。。

本日もお付き合いのほどよろしくお願いいたします。 

 

古代ローマ時代になると、珍味に膨大なお金をかけた有名な皇帝が登場。

f:id:grazieatutti:20180421182612j:plainアウルス ヴィッテリウス皇帝

紀元69年4月—12月の数ヶ月間で9億セステルテイウス(約2250億円)を豪華な食事(キジの脳みそやフラミンゴの舌)に費やしたアウルス ヴィッテリウス皇帝がその一人。

 

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当時の豪勢な料理の数々のレシピを知るには、Apicio(マルクス・ガビウス・アピシウス:近々に別記)が書いたDe re conquinaria(別記予定)が非常に面白い。

牛肉・子羊・豚・猪・鹿・野ウサギ・ツナ・鯖・卵・レンズ豆などと蜂蜜・モスト・スパイス入りワイン・ワインビネガーやGarumなどの調味料とともに調理した様子がうかがえる。(焼く・煮るなど単純な料理方法が主流。)

政治家で文筆家のPetronio Arbitro(紀元26-66年)はSatyricon(1969年フェデリコフェリーニ監督が映画化)のなかで、コックの技術で元の食材と全く違う姿で目と舌を試すような料理を出した様子が記されている。

 

中世初期には、古代ローマ時代の伝統的な釜焼きや弱火での調理方法がマイナーになり、新しいビザンチン文化の影響を受けた串焼きなどの直火料理が主流となった。肉料理が盛んで、ローストする前に必ず茹でてビザンチンから輸入したスパイス・ハーブ・蜂蜜・Garumなどをかけた。

 

13世紀になると古代ローマ時代の釜焼きや煮込みに味付けが甘辛や甘味の傾向が強くなり、ハーブやスパイスの効いた料理が浸透して行く。野菜もミネストラ(スープ)・タルト・フリテッラ(揚げ物)などに使われ、少し軽めのソースにも使われるようになる。

f:id:grazieatutti:20180421185223j:plainLibro de arte conquinaria

15世紀には、Maestro Martino(マエストロ マルティーノ)で有名なコックで美食家Martino de’ Rossiがレシピ本 Libro de arte conquinaria (別記予定)を記し、Platina(プラチナ)として有名な美食家で人文学者Bartolomeo Sacchiが書いたDe honesta voluptate(別記予定)のレシピ本で、当時を料理を知ることができる。

 

ルネッサンスに入ると、食材の本来の自然な味わいではなく、高価で希少品のスパイス・Agresto・ローズウオーター・砂糖を大量に使い、手の込んだ料理に複雑な装飾を加え、趣向を凝らした盛大なプレゼンテーションが特徴に。

顧客の前で料理を捌いて取り分け盛り付けるパフォーマンス的なサービス(面前での毒味役の責任も)もこの時代の特徴。ナポリ王国教皇領のローマやメデイチ家のフィレンツエなど経済発展した地域では、欧州各地からの巡礼者・宗教家やコックも集まり、食の進化も著しかった。

f:id:grazieatutti:20180421185108j:plainカテリーナとアンリ2世

この時代のイタリア料理の伝搬の最大貢献者はフィレンツェのカタリーナ デイ メデイチで、フランス国王アンリ2世の王妃(息子で王になるフランソワ2世・シャルル9世の母)として、今はフランス料理として知られる料理の数々を当時フランス宮廷にトスカーナ料理(別記予定)を持ち込んだ。

 

今後それぞれの時代・人・レシピ本・特徴ある料理をご紹介します。

各レシピ本から料理も復活させますよ。

特にフランス料理と言われて久しい料理(例えばオニオンスープとかクレープとか)が実はトスカーナ料理であることは特に!!!

(楽しみにお待ちくださいませ)

 

今日もお付き合いいただきありがとうございます。

 

ー 続く ー

 

参考資料

 

アウルス・ウィテッリウス - Wikipedia

サテリコン (映画) - Wikipedia