イタリアを代表するパスタ料理で特に有名な『カルボナーラ』
お好きな方も多いかと思います。
今日は美味しいこの一品についてです。お付き合い下さい。
4月6日にIpo(International pasta organization)とAidepi(Associazione delle industrie del dolce e della pasta)が一層の普及を目指し『Carbonaraday』を開催。(。。。もう十分認知されてるような気も)
さて、カルボナーラの歴史を紐解くと、
1940年以前のレシピ本には未だ登場してません。
ストーリー好きのイタリア人によると、
1)ラーツイオ州の炭焼き職人が始めた説
2)食材からアブルッツオの炭焼き職人が始めた説
3) ナポリの伝統料理説
4) 第2次大戦時アメリカ兵から知識を得た説
5) アメリカ兵から食材を得た説
などが挙げられています。
それぞれを詳しく調べると。。。
1)2)は両地域の炭焼き職人(Carbonai : ローマ弁でCarbonari)が山に篭り、数日かけて山で炭を作る時に簡単に手に入る食材としてカチョチーズ(羊乳と牛乳のセミハードチーズ)と卵(エネルギー源)とグアンチャーレ(脂肪分も取れるため)に胡椒(体が温まる)と乾燥パスタを持って山小屋に籠った説。(想像できます。)
←炭焼き作業中
オリーブオイルは高級品だったので油脂分をグアンチャーレから得ていたことも、グアンチャーレに保存用に胡椒を染み込ませてるのでイングレに入っていてもおかしくないですね。 またアブルッツオでは炭で焼いた塩漬けパンチェッタをCarbonada(燻製ベーコン)と呼んでたことからも、可能性は高そうです。
3)1837年Ippolito Cavalcantiのナポリ方言で書かれた専門書Cucina teorico-praticoによると「パスタを茹でた後、撹拌した卵とチーズと胡椒を合わす。」と。
4)アメリカ兵士が(母国の朝食を思いながら)スクランブルエッグとベーコンを食べてたのを見て、ローマ伝統料理のスパゲッティ+カッチョチーズ+胡椒に加えた説。 (無きにしも非ず)
←Kレーションの一例
5)食材高騰でブラックマーケットでしか手に入らず、終戦を迎えアメリカ兵がローマから引き上げる際に常備してたKレーション(戦闘糧食)をレストランオーナーが大量に手に入れ、入ってた缶詰(または乾燥ベーコンや乾燥卵)を使って店を維持した説。(う〜ん 1940年代以前のレシピ本で見つからないことからも。。。ありそうな話)
卵とチーズの入るパスタ料理は北部から中部にかけて何世紀も前からあり、ローマの伝統料理として知られるPasta cacio e pepeもしかり。(塩気の強いカチョチーズと胡椒をしっかり効かせば、喉が渇きワインをたっぷり飲んでくれて、がっぽり儲かるとオステリーア(居酒屋)で流行ったとのこと。)
1700年代ゲーテの「イタリア紀行」にナポリで「茹でたマカロニにおろしたチーズを合わせた」料理を記しており、ローマ周辺の平野地域にいた羊飼いたちは袋に乾燥スパゲッティと胡椒とカチョチーズを常備。またドライトマトやグアンチャーレ(豚の乾燥頰肉)・熟成ペコリーノチーズ・黒胡椒を入っていてもおかしくない。特に冬の寒い時期に体を温める食材としても。
と結構面白い話が見つかりました。
さてさて、イタリアの『オリジナル』カルボナーラの食材は何でしょうか ?
スパゲッティ(または ペンネなどのショートカットパスタも)
グアンチャーレ (豚頬肉=豚トロの塩漬け 又は パンチェッタ=豚バラの塩漬け)
卵
ペコリーノ ロマーノ (羊乳の硬質チーズ :舌にピリッとした刺激と塩っぽさが特徴)
胡椒 (とパスタ茹でる時の塩も)
山奥の炭焼き場・第2次大戦中。。。
どちらにしても牛乳や生クリーム。。。
ちょっと手に入りづらかったかもしれませんね。
よかったらレシピはこちら↓からどうぞ。
「海のカルボナーラ」とか「野菜のカルボナーラ」とかなかなか想像力豊かなバリエーションもお目にかかる昨今。。。
創作力旺盛なお好みのパターンがあって良いと思います。
どんなタイプがお好きですか?
さてワインです。
やっぱりラツイオ州ならコレと言う赤ワインでいかがでしょうか。
フラスカーティ地区にある「カステル デ パオリス」の「イ クアトロ モーリ」。
フランスワインでよく知られた4品種シラー・カベルネ ソーヴィニヨン・メルロー・プティヴェルドをこの地で樽熟成に耐えうる育成をほどこしバランスよくブレンド。ベリー系のまろやかで深い味わいからアルコール感とタンニンのバランスが非常に良い重量感のある濃厚な美味しい赤ワインです。
(カルボナーラのコッテリ感を上手に取り除いてくれ・・・たくさん食べれちゃいます。)
今日も最後までお付き合い頂きありがとうございます。
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