余りにもいろんな方向のことを書き、この分野のことを忘れかけておりました。仕事関連の色々。。。
おつきあいのほどよろしくお願いいたします。
ジャパニーズビジネスの初歩かつ常識的「作法」は、やっぱり名刺交換でしょうか。
遠い昔、酒の肴に本社上司から「名刺は読め!」と。。。
「お前はなっとらん!」 → 「名刺に書いてある相手の役職によって、畏敬の念をしっかり表し、お辞儀の角度と回数を考えろ!」 とアドバイスを頂戴し。
商社ゆえそれぞれの分野やシキタリ・流儀を知らない若造にとって当時通るべき基本的社会勉強の一つ。。。
この「常識的流儀」イタリア人言わせると。。。
「喜劇の一部みたいで面白い」
「バッタみたい」
「よく頭突きし合わないなあ」
「あんなにたくさん相手企業全員から名刺もらってどうするんだ? コレクターか ?」
バッタみたいとは(ご存知の方も多いと思いますが)、ショウリョウバッタの足を掴むと何回も体を大きく上下する仕草。。。
日本人ならプライベートでも名刺交換する方を見かけ。。。普及率バツグンの名刺。
イタリアでは ?
そもそも名刺を持ってる方が珍しい。
持っていても会議に持参してくる人少ない。
彼らの理屈は、
「面談のために事前に電話で話し、相手の名前も役職も連絡先もメール(当時はファックス)見れば判ってるのになんでみんなの名刺が必要か? 小さな紙切れ一枚交換するのにわざわざ時間を取る必要がそもそもあるのか? 格式張る理由はもっとわからん!!」
名刺が切れると財布の中に残っているなけなしのボロボロの一枚をくれることも。。。 これ実は彼に取って本当に「大切な」一枚。
レストランなどで会社向けの領収書を頼む時に、名刺にPartita IVA : イタリア商業番号が記載されてると「企業」として認識され、領収書発行を認めてくれることに。そして8桁の番号を覚えておくのが面倒な人には必須の1枚。(もらった方は「なんだこれ?!」ではなく、押し戴く一枚か丁重にお返しするもの。)
会議に持参を忘れると、まず取りに行くのをめんどうがり「今度」と言われるか、会議の終わりに取ってきても「儀式」は人差し指と中指に挟んで渡されることも(フランス・スペイン・ベルギー・オランダ・ドイツでも経験)。お辞儀=服従と考える彼らに求める方がアウト。
幅のあるテーブルを挟んで向き合ってると、向こうからはカジノのディーラーがカードを振り分けるように名刺が回転しながら届きます。
「肩書き」よりも「人なり」「中身」を重視する社会。さもありなん。
仕事関係でLeiがtuになり仲が良くなるのも考えもの。。。
上記本社上司からご指導頂いたほんの20日ほど前、イタリア南部の某食品会社の社長(60歳代)と輸出部長(40歳代)に呼び出され、翌週の日本出張に向け事前会議。名刺の準備と「作法」を自分(20歳代)がレクチャー。。。
社長曰く「俺はそんな危ないことはできん!」
キョトンとしていると、
「もう一回Mario(仮名・輸出部長)に名刺交換とあいさつしてみろ。」
何故か社長はこちらの後ろに。。。
名刺を指し出し、頭を下げた瞬間。。。
後ろにいた社長が一歩前に出て、こちらのお尻が社長のとあるポジションに。。。
?!
社長:「イタリアやアラブ地域ではこういうリスクが非常に高い。だからお辞儀なんかしない。日本にはないのか ?」
(あるかーーー! 男子校中学生であるまいし。。。
もう一つの心の声、確かに。。。イタリアはこの系多いなあ)
自分=苦笑 < 社長=爆笑 < 営業部長=特大爆笑
イタリア人の中には楽しむために、いつでも&いくつになっても&どんな役職でもお茶目な方々が多いです。
今日も最後までお付き合い頂きありがとうございます。