魔法の言葉・危険なお名前・不思議な乾杯などなどイタリア語についてご紹介してきました。お楽しみいただけてるでしょうか。
今日もお付き合いのほど宜しくお願いいたします。
日本は開発力がイタズラ力を上回り、余り見かけることのなくなった「壁の落書き」イタリアで未だ後を絶たず。。。
ひと昔前はこのようなフレーズだったのが、
Muri puliti, popolo spento. (=綺麗な壁、生気のない庶民)
ちょっと「なるほど」と思える内容が主流。。。
ミラノで一番新しい3号線の地下鉄車両だって容赦なく、
色彩豊かにここまで来ると芸術性を感じてしまって「上手じゃん?!」。
一番腹が立つのが、この手の汚いパターン。
「どうよ?」と思う題材も、ユーモアいっぱいにローマの一角で描かれ、同業者がニコつくと言うのも、いかにもイタリアらしくないですか?
さて、今日の本題、
Meglio vivere un giorno da leone che cent'anni da pecora.
(メッリオ ヴィーヴェレ ウン ジョルノ ダ レオーネ ケ チェンタンニ ダ ペーコラ。= 羊の100年よりライオンの1日を生きた方がいい。
「自分の理想のために勇敢に戦う1日の方が、臆病に服従しながら美徳のない一生を送るより絶対良い。」
まだ落書きの主流がフレーズだった時代に、駅のホームからトイレなどいたるところでお目にかかり、「一理あるよなあ」とイタリア人らしいこのフレーズが心に残り「ライオン人生目指すぞ!」と本性が出そうになった時に被り物(イタリアなので「褌を締め直す」わけにはいかない。)を整え自身を鼓舞。
なんとこのフレーズ。。。
1928年3月19日の下院でArmando Diaz元帥を讃える演説をムッソリーニがした時の一部で9月24日にも再発言。(ムッソリーニは他にも面白い言葉を残してるんですよ。「Governare gli italiani non è impossibile, è inutile. = イタリア人を統治するのは不可能ではない。無駄である。」よくお分かりで。。。そんな国と組んで勝てると思った国はど〜こだ?)
そして実はこのフレーズ。。。
ムッソリーニが使う10年も前、第1時世界大戦中の1918年6月14日19時空襲を受け、大隊がほぼ全滅したヴェネツイア北トレヴィーゾ近郊Fagarè村で、生き残ったBernardo Vicarioが壊れた家の壁に書いたとされている。
そしてそしてここからナポレターノ(ナポリ人)はこんなフレーズを。。。
Ma tra un giorno da leone e cento da pecora…
Non se ne potrebbero fare cinquanta da orsacchiotto ?
「あのさ〜 ライオンの1日と羊の100日の間。。。
子グマのぬいぐるみで50日って作れないかなあ ?」
。。。41歳の若さでこの世をさった詩人で俳優・映画監督だったMassimo Trisiの映画Scusate il ritardo(1982年)で。
バリバリのナポリ弁ですが。。。
Scusate il ritardo Tonino l'orsacchiotto
どの人生を選ばれますか ???
50日の「テデイ・ベア」!!! 女の子にはいつもハグしてもらえますもんね(^^)
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございます。