イタリアのトマトについて、チョイ歴史〜缶詰作り〜美味しいトマトソース情報まで触れましたが、お楽しみいただけましたでしょうか。(「ポモドーリ1」「ポモドーリ2」「ポモドーリ3」「ポモドーリ4」「ポモドーリ 5」)
今日は毎年繰り広げられる生々しい現地のバトル情報ですよ〜
お付き合いのほどよろしくお願いいたします。
イタリア国内では、毎年2月頃に加工向けトマトの最低購入価格を農業組合と加工業者組合が折り合おうとするのですが。。。。
市場の売れ行きが思わしくなく在庫を抱えると加工業者は仕入れ価格を抑えようとしますし、品種改良・人件費・輸送費などコスト調整が苦しい農業組合のバトルはとても日本人が想像できるような激しさではありません。
世界の加工向けトマトの生産量は、約3800万トン(2016年)と言われ
1位 アメリカ 30%
2位 イタリア 14%
3位 中国 13%
4位 スペイン 8%
5位 トルコ 5% 他には 4%でポルトガル・ブラジルの順
世界第2位のイタリアでは、ピアチェンツア〜パルマ〜レッジョエミリア一帯の『北部』とプーリア・ナポリ一帯の『南部』に大まかに産地が別れ、それぞれ製造品目が違うんです。(生産地と収穫量参照)
北部 は 濃縮トマトペースト 39%
ポルパ(ダイストマト) 35%
パッサータ 27.3%
各種トマトソース 1.7%
南部 は ピールドトマト 44%
ポルパ+パッサータ+プチトマト 48%
濃縮トマトペースト 8%
『北部』のトマト生産者は16組合で平均19ヘクタール所有し、加工メーカーは21社が市場の95%を占める。
『南部』のトマト生産者は30組合あり平均5.5ヘクタール所有し89%を占め、加工メーカー70社が95%を占める。
と、北部がペースト(ケチャップ向け原料)を中心としているのに、南部がピールドトマトの缶詰・瓶詰め生産が主とそれぞれ違いがあります。 北部は比較的普通の企業と農家(組合)の関係ですが、南部は人間味イッパイな。。。
世界各国の商品別の輸出比率(2016年)は
濃縮トマトペースト・パッサータ部門
イタリア 26%
中国 25%
アメリカ 12% スペイン 11% ポルトガル 8% トルコ 6%など
ピールドトマト・ダイストマト部門
イタリア 77%
スペイン 6%
アメリカ 4%
共にイタリアが多く、濃縮トマトペーストの2位中国はイタリアの濃縮機械メーカーが機械と技術を輸出し、製品を買取る売買契約から爆増。
同じように輸入(2016年)に関しては、
濃縮トマトペースト・パッサータ部門
ドイツ 15%
イタリア 10%
イギリス 9% 日本8% ロシア 7% など
ピールドトマト・ダイストマト部門
イギリス 23%
ドイツ 15%
フランス 9% 日本 8% など
さて本題、
2月に決定される最低購入価格は、2016年は
丸トマト 81ユーロ/トン (約11円/kg)
(濃縮トマトペーストやパッサータ・ダイストマト)
長トマト 103.4ユーロ/トン (約13円/kg)
(ピールドトマト用)
プチトマト 137.2ユーロ/トン (約18円/kg)
データー調べて書いてる内にちょっと休憩が必要に。。。
すんごい安いでしょ。。。強要されてる買取最低価格って。。。
次回は、収穫・加工時期に暗躍するイタリア地下組織のお話です。。。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございます。
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