前回のシャーベットもシチリア島伝統ドルチェのカッサータもシチリア特産と疑わなかったものが全てアラブ人のお陰とは・・・
いかがだったでしょうか。
「良心ある人はわかってくれるさ」ではなく、<主張>は思いっきりすべきではないでしょうか ???
今日もおつきあいのほどよろしくお願いいたします。
アラブ人がもたらしたもので特筆すべきは蒸留酒と製造方法。
当初は消毒目的とランプの原料としてアランビック蒸留器で作られました。
最初はワイン用にブドウを絞った残り(皮と残留ジューズなど)からGrappa (グラッパ)を、アニスからスペイン人が呼ぶとAnis・トルコ人が呼ぶとRaki ・ギリシャ人が呼ぶとOuzoをそれぞれ製造。
現代でも水に香りをつけるためにアニス蒸留酒を入れ清涼飲料水をZammùとシチリアでは呼んでます。Sambuco(西洋ニワトコ)の花からZammùcu(シチリア弁)を清涼飲料水として使っていたのが事の始まり。
イタリア全土(比較的ローマ以南中心)では、今も食後酒としてSambucaをストレートで飲みます。コーヒー豆を2-3個浮かし、口に入ったコーヒー豆を砕きながら楽しみます。
そして最後に。。。
ヴェネツイア共和国がコーヒーを商売する前にシチリアにコーヒーがあったことを信じられますか ?
トルコ人達がGahvéが、水と砂糖とコーヒーを一緒にIbrik(Bricco:コーヒー沸かし)で沸かし、コーヒーが沈んだらカルダモンのスパイスを入れたものを、アラブ人達はGawahと呼び飲んでました。
今もシチリア人がカフェ(喫茶店)で飲むエスプレッソよりも家庭の卓上コンロで作るモカコーヒーを好む理由かも知れない。
セファルデイム(スペイン人系ユダヤ人)によって15世紀前後にシンプルで経済的なオリーブオイルでニンニクを炒めたソースがもたらされました。
このソースに合うインゲン・ブロッコリー・ビーツ・カリフラワーなどボイルに適した野菜が到来し、無駄にしない習慣も教わった。例えばカボチャは花・果肉・タネも乾燥させて塩味にした。パレルモのストリートフードとして有名なPane con la milza(U pani ca’ meusa)も彼らのおかげ。
いかがだったでしょうか ?
シチリア伝統料理といわれるものも、歴史を紐解くと面白いですね。
今回で食の歴史シチリア島編は一区切りです。
最後までお付き合い頂きありがとうございます。