春が旬な野菜 第2弾 カルチョッフィ( = アーティチョーク)です。
新入社員時代のちょうどこの時期にラーツィオ州南部Latinaに出張。
世にも不思議な植物が道の両側に延々と続いて「なんだこりゃ〜っ?」だったので、昼食時に訪問先食品工場の社長に「アレ何?」。やっと産地〜市場〜(加工&瓶詰め)〜目の前のご馳走が繋がったことを思い出します。
←こんな感じ。
正確には2月ぐらいから市場でお目にかかれます。小さな棘(無い品種も)があって素手では掴みたくなく、外の硬い苞片(花弁の様な葉)を取り除き蕾の先をカットして、内側にある冠毛になる繊毛を取り除いて、花床部分だけをレモン水につけて強烈なアク(生のオリーブの実よりはマシ)を取ってから調理します。(手間が大変)
茹で系やオーブン系料理では多少半分ぐらい苞片部分を残して調理し、味の染み込んだの付け根の柔らかい部分も歯でシゴクようにして食べます。
なんでそこまでして食べるの ?
。。。多分、古代ローマ時代に他に食べるものがなかった貧しい人たちが試したおかげかと(他にもいろんなハーブや野菜も)推測します。
現代では食物繊維に富んで肝臓の解毒効果があると。。。(もちろん旬ものですし美味しんです!)
料理だけでなく、消化を促進する食前・食後酒「Cynar」が1952年から市販されてます。↓ 輸入されてました。(イタリアでは家庭で作るツワモノもいます。)
ルーツは古代エジプトや古代ギリシャの漢方療法として紀元前4世紀ごろアラブ諸地域でKarshuf(Kharshaf)と呼ぶ植物でTeofrasto(古代ギリシャレスボス島の「植物学の祖」の「Theophrastus - 植物誌」(9巻)にCardui pineaeと識別されてます。
古代ローマ時代Columella(紀元4-70年:農業作家)はCynaraと呼び主に薬効植物だったのを食料として使い始めた様子を記し、Apicio(アピキウス:帝政ローマのグルメ料理人)の De re conquinaria(アピシウス :古代ローマ随一の料理本)3章9・10項でCardvi料理が出てます。ルネッサンス期には絵画にも登場しVincenzo CampoのL'ortolanaに描かれ、フランス国王妃になったカテリーナ デ メディチが好んだ食材のひとつとしても有名。1800年代となると当時のグルメGrimod de La Reyniereは媚薬効果もあると。
。。。ルネッサンス文化の代表作「神曲」のダンテ アリギエーリも塩茹でしレモン塩胡椒オリーブオイルをかけたカルチョッフィをゆで卵と一緒によく食べたとも。
欧州域内で保護農産物として、ラーツィオ州産のCarciofo Romanesco del Lazio・カンパーニャ州産のCarciofo Paestum・プーリア州産のCarciofo BrindisinoがIGP(欧州連合が定めた地理的保護指定制度)に、サルデーニャ島産Carciofo spinoso di SardegnaがDOP(原産地保護指定制度)認定されています。
今年もLadispoliとSezzeの両町でRomanescoカルチョッフィ。
4月13-15日 ローマ北西約35kmに位置するLadispoli(フィウミチーノ空港とチビタベッキアの中間)で第68回Sagra del carciofo Romanescoのお祭りでストリートフードからレストラン料理までカルチョッフィを満喫できそうですよ。
4月15日 ローマ南東約70kmに位置するSezze(フロジノーネとラテイーナの間)でも。
試してみませんか ???
生
缶入り(オイル漬け)
瓶詰め (オイル漬け)
料理はリグーリア州・ラツイオ州・シチリア島にそれぞれ伝統料理があります。
次回からはそれぞれの料理をご紹介したいと思います。
皆様のコメントお待ちしております。
よろしくお願いいたします。
La sagra del carciofo di Ladipoli
La sagra del carciofo di Sezze
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