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みんなのおかげで !!! 。。。食文化専門に30数年間イタリア在住したEnogastronomoが書いてます。お役に立てれば。

イタリア 食材のルーツと歴史  - 2 - パン(1)

日本のパンってフッワフワでモチモチしてて美味しいですよね。

 

。。。に比べ、イタリアのは塩っ気がなく、口の中怪我しそうな硬さのパンが多いです。

 

塩っ気がないのは、大昔からたらふく食べるパンには使えないほど塩が貴重だったと。

口の中怪我しそうな硬さは、大昔スプーンの代わりに使ってた名残と。

パン屋に教わりました。

 

イタリアでは更新世紀(約258万年前〜約1万年前までの期間)にホモ・エレクトスが穀類を石を使って粉にし水に混ぜ、真っ赤に焼けた石で焼いたのが始まりと言ってます。

紀元前3500年エジプトで発酵させ翌日焼くパンが単なる食の充実だけでなく繁栄をもたらしたとも言われてます。発酵させないため製パン時間も短く非常食としてエジプトから逃げた時の事を思って今もユダヤ人はMatzahを食べるのは当時の名残だろうとも。

古代エジプトから古代ギリシャに伝わり、ホメロス(紀元前8世紀末の吟遊詩人)によるとpopori civili(文明人)をbarbari(未開人・野蛮人)と区別する定義が「パンを食べるかどうか」とのこと。Atneo(アテナイオス)によると「アテネでは72種類のパンが作られていた。」とも。

 

イタリアにはシチリア島南西部現在のCastelvetrano(Trapani)に紀元前628年—紀元前250年頃古代ギリシャの植民都市Selinunte(現在のモデイーネ川とコットーネ川に挟まれた場所でアクロポリスのヘラの神殿が残っている)の全盛期には14種類のパンが作られていた。「焼き立てにオリーブオイルをかけたパンに勝るものはない。」と言われるほどだったそうです。

 

f:id:grazieatutti:20180317115319j:plain←Pani votivi

 

3月19日San Giuseppeのお祭りは、冬の終わりと春の到来を祝う日。

 

シチリア島西部トラーパニとマルサラの内陸部に位置するSalemiではPani votiviと言う果物や動物などを模ったパンを献上し豊穣を願うお祭りでもあり、1400年代に遡り1600年から1977年までは宗教上の祝日として祝ってたそうです。(San Giuseppeはキリストの父で、この日をイタリアでは「父の日」として祝ってます。)

 

 

朝8時ちょっと前にパン屋に大勢の人だかりができてるのは出勤時の風物詩。

日本人のように並ぶ習慣はありません。「あの人は私の後に来た人」とアバウト。ささいな言い争いや老人へ譲る微笑ましい光景もいつものこと。

 

。。。当時(ほぼ四半世紀前)自分も足繁く通ってました。

クラブ(同時はディスコ)で使ったエネルギー補給に、深夜の徘徊虫が集まるように燦燦と輝き 香り振りまくチョッと開いてる裏口に。

サンドイッチやフォッカッチャや甘くて美味しい菓子パンを買うために、ちょうどパン屋のおっちゃんが仕込み中で忙しく「またお前らかー!!!」と怒鳴られる声が響いても、ご近所さんみなさん分厚い壁の向こうでグッスリ熟睡時間帯。

 

。。。怒られようがこれがまた超美味しかったんです。もん。

 

Festa di San Giuseppe a Salemi

Pane (Wikipedia)