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みんなのおかげで !!! 。。。食文化専門に30数年間イタリア在住したEnogastronomoが書いてます。お役に立てれば。

イタリア食の歴史 シチリア島 2

 古代ギリシャからシチリアに入ってきた食文化を、前回の「 イタリア食の歴史 古代 1 (古代ギリシャからシチリアへ) 」でスタートさせて頂きました。

 

ちょっと「シチリア島」に特化したまま時代が進むので表題を変えて行こうと思います。

 

今日もお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

 

 

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 古代ギリシャ人達がシチリア島の東部から影響を及ぼした後、次の時代ではアラブ人達が西部から影響を。

 

f:id:grazieatutti:20180417201920j:plainマルサーラ

827年アフリカのムスリン(サラセン族)達がシチリア島西部マルサーラに入り、サトウキビ・米・ジャスミン・綿・アニス・ゴマ・シナモン・サフランや豊富な菓子作りをもたらした。

 リゾットを代表するミラノ風リゾットに入るサフランは、アラブからサフランと米が持ち込まれ無ければ。。。 そしてもうこの時代に作られていた可能性も。。。

 

いつものですが。。。

 ミラノ風リゾットは、1574年ミラノ大聖堂(ドオーモ)のステンドガラス職人Valerio da Profondavalleの弟子たちが、師匠の娘の結婚式に作った説。。。

 中部イタリアFerrara(フェラーラ)のエステ家の料理長Cristoforo di Messisburgoは1543年1月16日の豪華な晩餐会に6種類(も?!)のシチリア風リゾットを準備、その中に卵黄・粉チーズ・胡椒・サフラン入りリゾットの記載が。

 

話を戻して、

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        Cubbaita                                             Nucatuli

他にはCubbaita (Qubbayt = アーモンドやゴマを蜂蜜で固めた甘くて硬いトローネ)やNucatuli (Nagal=ドライフルーツ・アーモンド・ジャム・蜂蜜の入ったS字形のビスケット)

f:id:grazieatutti:20180417184301j:plain Copata

やCopata (Cupata=ヘーゼルナッツ・卵白・蜂蜜・でんぷんで作った硬いトローネ)。

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      カッサータ              カンノーリ

カッサータやカンノーリやグラニータ(シャーベット)も彼らが持ち込んだ。

 

f:id:grazieatutti:20180417201413j:plain←Qal’at an-nisa

当時はハーレムが盛んな時代で一説によるとQal’at an-nisa(=女の館:現在のカルタニゼッタ(シチリア島中心部の街)の語源)の女性達によってカンノーリが作られたとの説もある。 

柑橘系エッセンスやシナモンやフラワーエッセンスを用いて、当時では考えられない美味しいドルチェで魅了。(現代でも物凄〜〜く甘いものです。)

 

f:id:grazieatutti:20180417201529j:plainトラーパニ

マルサーラの北約30kmに位置するトラーパニの伝統デザートとして残っているグラニータ、当時の呼び名でNiveo gelato(=Scursunera)を作る機械も作り、シロップにレモン・メロン・モスト(濃縮ぶどう)・シナモン・ジャスミンのグラニータを楽しませた。

f:id:grazieatutti:20180417201320j:plainラニータ

 

f:id:grazieatutti:20180417203121j:plainランビック蒸留機

またグラッパなど香りの良い蒸留酒(アックアヴィーテ)を製造する蒸留器アランビックも彼らがもたらしたもの。当時は医療用のアルコールとして製造。

 

他にも揚げパン・乾燥ひよこ豆や塩漬けや乾燥したかぼちゃの花。

 

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一昔前まではストリートフードとしてもあったパレルモ伝統料理のPane con la milza(脾臓煮込みのサンドイッチ)も彼らが持ち込んだ。

 

・・・あたかも イタリア料理と称し。。。

 

いつの時代も目新しいものは流行りやすいですね。

定着し1000年経つと誰も覚えてなく。。。自国産と称する。。。

今に始まったことではない。。。

 

今日も最後までお付き合いありがとうございます。

 

− 続く〜 —