現代では日々普通に飲めるようになったワイン。
入社当時、業界の偉い方から伺った
「70年代後半まではワインはウイスキーと同じで、本当に限られた人しか飲まないし、特別感があって高くても売れるんだ。」
と豪語されていた時代から、今では世界中からものすごい種類と量のいろんな美味しいワインが輸入され、国産の美味しいワインも増えましたよね。
日々幸せなイッパイ(?)の楽しみが増える一方ですよね。(日本酒や芋焼酎・泡盛も美味しいですよね。)
歴史を紐解きながら、ワインについて面白い話がいろいろあります。
イタリアにはどうやってワインがたどり着いたんでしょうか。
森との境目や川の両岸に野生していたブドウ。コーカサスで第四紀(〜181万年前)の地層からの葉の化石が見つかったことで、相当昔からあったことは。。。
その時代から徐々にカスピ海周辺〜ジョージア(旧グルシア)〜メソポタミア〜栽培が始まるフェニキア〜古代エジプトとありますが、この辺りはまた別の機会にして。
紀元前15世紀ペロポネソス半島のミケーネ(ミケーネ文明)人やフェニキア人がシチリア島にたどり着き、メッシーナの西約90kmのCapo d’Orlandoに 「風の王」でEolie諸島の王Eoloの息子Agatirsoがトロイア戦争直後の紀元前1183年頃、酒神バッカスの素晴らしい杖(Tirso)を祀る植民都市(Agatirso)を建設。
↑ローマのPalazzo Farneseにあるフレスコ画で 1600年代Annibale Carracciが描いた「Trionfo di Bacco e Arianna」。 左端に杖(Triso)を持っているのが酒神バッカス。
酔っ払って失態の多かった一部の市民は、Tito Livio(紀元前59年頃—17年:ティトウス・リウィウス:帝政初期の古代ローマの歴史家)によると、紀元前210年には「泥棒とならず者の街」と不評で約4000人がカラブリアに追放された。と書き残してます。
さて当時のワイン醸造技術では、酸化が激しくかったため、海水や蜂蜜やスパイスを加えていたとのこと(?! ?! ?!)。
当初はワインをヤギの皮に入れていたが、内側に松ヤニを塗ったアンフォラを用いて保存が可能に。
ワインをそのまま原酒で飲むのは午前中。(?!)
食事中は水に薄めて飲み、食後酒として原酒をドライフルーツやゴマのお菓子とともに楽しんでいたとのこと。
Simposio(Symposionシンポジオン : 現代ではシンポジウムは研究発表会や討論会ですが。。。古代ギリシャではConvivi(宴の参加者達)がチーズ・オリーブの実・ドライフルーツなどなどのつまみと共に酒を飲みながら歌ったり・遊んだり・会話を楽しむ饗宴だったようですね。
そうそう
ハネムーンの語源もお酒が元で始まった古代の習慣だそうですよ。。。
1万4千年前ごろに熊などに荒らされた蜂の巣にたまっている雨水を狩人が見つけ飲んで見たところ、あまりの美味しさにびっくりしたがのが蜂蜜酒(不可熱の原始的な発酵飲料:idromele)アルコール飲料の始まり。
その後のメソポタミア・エジプトが栄えた紀元前3500年ごろの青銅器時代に蜂蜜の消費量が増大すると共に、欧州各地に拡大。
北欧神話の主神で戦争と死の神様オーデインにも愛され、神様の飲み物とされた時期もあって。。。
新婚の若いカップルのエネルギー補給(滋養強壮)と子宝に恵まれる為にも蜂蜜酒を約1ヶ月分(28日分)プレゼントする習慣があったそうです。
カレンダーのないこの時代の約1ヶ月の測り方は月暦で 新月から新月分(28日分)。蜂蜜酒にちなんでLuna di miele (= honey moon = )ハネムーンになったとのこと。
蜂蜜酒の種類は
Idromele : 蜂蜜・水・発酵菌
Braggot : 蜂蜜・モルト
Melomel : 蜂蜜・果物
Metheglin : 蜂蜜・スパイス
が作られ、現代の製造方法では、アルコール度数8-17%で作れるそうです。
TVもインターネットも電気もなかった時代。。。
それにしても ご活発なことですよね。
(。。。1ヶ月のハネムーン休暇
嬉しいような。。。怖いような。。。)
寄り道で、また長くなってしまいました。ごめんなさい。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ー 2 に続く ー
参考資料