Grazie a tutti !!!

みんなのおかげで !!! 。。。食文化専門に30数年間イタリア在住したEnogastronomoが書いてます。お役に立てれば。

イタリア食の歴史 <<<概略>>> 3

 

前回(古代ローマからルネッサンス)から相当時間が経って。。。

 

続きをご紹介いたします。

 

おつきあいのほどよろしくお願いいたします。

 

ルネッサンス期に繁栄したイタリア各地も宗教戦争を迎える1600年代になるとコック達は逃げるようにそれぞれの国に技術を持って移動や帰国し、各地にイタリア料理が伝わり浸透することになる。

 

バロック全盛の1700年代の前半にフランスで食革命が起こり(フランス革命は1789年)、今までのスパイスの効いたり甘かったり味が濃かった手の込んだ料理からデリケートでフレッシュなシンプルな料理方法Cucina borghese(ブルジョワ料理)に変容する。一品ずつ料理をテーブルも運ばれるようにも。

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 1800年代になると、サボイア家に30年勤めたコックGiovanni Vialardiが2000種類のレシピ本「Cucina Borghese」を出版(1864年)。その後「シンプルで経済的な料理」から「シンブルだがバランスよく健康的で作りやすく美しい料理」として「Classista」(クラッシスタ)と美食家のPellegrino Artusi が、La scienza in cucina e l’arte di mangier bene(1891年出版)で「Classi agiate」(豊かなクラス)料理を提案した。

 

1900年代になると、鉄道の発展や自動車出現で移動が活発になり、旅行先や仕事先のホテルや料理を紹介するミシェランガイドブックが1909年にイタリア各地の地方料理を紹介。

1960年代経済成長期には女性も職場に入ることが盛んになり、伝統料理やポレンタや内臓煮込みなど準備に時間のかかる料理が家庭で食べられなくなった。そのために初めて作る人たちのためにCucciaio d’argentoのようなレシピ本が盛んに売れるように。

1970年代になると外食産業でも大きな波がやってくる。イタリア料理にフレンチと懐石料理を取り入れたクリエイティブな料理「Nuova Cucina Italiana」の登場。代表する巨匠は昨年末亡くなったGualtiero Marchesiで、世界中に大きな流れを作った。(イタリアカツレツ事情(1)で紹介)

マンマが仕事に出て家庭料理が少なくなるとファストフードも登場。。。(ファストフードで紹介)

 

それぞれの時代の料理も面白いですし、食に保守的なイタリア人も世代交代でファストフードや中華やパキスタン料理や日本食も食べるように。。。

どこの国でも環境や習慣によってどんどん変わっていきますね。

 

各時代の著名人が書いた本についてもレシピについても追々アップしていきます。

 

今日も最後までお付き合いくださりありがとうございます。 

 

 

参考資料

Pellegrini Artusi

Gualtiero Marchesi