まずは3種類のワインは、
1)Valpolicella DOC (Bertani) 2015
2)Amarone della Valpolicella Valpantena DOCG (Bertani) 2013
3)Primitivo appasimento IGT (Rocco di Sassi) 2016
今回選んだ趣旨は、
北部ベネト州のブドウ品種で、同じ品種を収穫した後に陰干しせずに作ったワイン1)と陰干ししてから作ったワイン2)は違いがあるか。
南部プーリア州のブドウ品種で、アッパシメント(ブドウを樹に付けたまま干からびさせた)方法の3)と2)ではどんな違いがあるか。
Valpoliella(ヴァルポリチェッラ )について
-. 歴史
語源はラテン語の「果実が豊富な谷(Val polys Cellae)」。古代ローマ時代にこの地に住んでいた(ケルト系)Reti人とArusnati人が作っていたワインReticoは、ローマに運ばれ、プリニウス・ヴィルジッリオなど詩人や政治家に絶賛された歴史ある地。
ヴァルポリチェッラDOCは、ヴェネト州ヴェローナ県中北部ヴェローナ市を含む19の市町村で生産。
-. ヴァルポリチェッラ のいろいろ
◯Valpolicella(DOC) / Valpolicella Classico(DOC) / Valpolicella Superiore(DOC)
ブドウ品種はCorvinaが45-95%・Rondinella5-30%・他Molinaraなど25%以下(各種10%以下)。収量12トン/ha、搾汁率70%。最低アルコール度数11%。ClassicoはNegar/Fumaneなどヴェローナ北西に位置する「元祖」の5市町村で生産。 Superioreは収穫翌年1月1日から最低で12ヶ月樽熟しアルコール度数12%以上のワイン。
◯Valpolicella Ripasso (DOC) / Valpolicella Ripasso Classico(DOC) / Valpolicella Ripasso Superiore(DOC) / Valpolicella Ripasso Classico Superiore (DOC)
Valpolicellaの熟成前にAmaroneやReciotoの搾りかすを15-20日一緒に寝かして、ボデイーや味わいやアルコール度数を上げたワイン。最低アルコル度数12%。SuperioreはValpolicellaと同じ熟成期間と最低アルコール度数が必要。
◯Amarone della Valpolicella(DOCG)/Amarone della Valpolicella Classico(DOCG) / Amarone della Valpolicella Valpantena(DOCG)
ブドウ品種はValpolicellaと同じ。10月上旬に収穫し約4ヶ月陰干し、30-40%水分を減らし翌年2月に搾汁(搾汁率40%)30-50日低温発酵し、樽熟は最低2年。最低アルコール度数14%。1936年Reciotoの忘れられた樽のワインがそのまま発酵を続け糖分がアルコールに変わりReciotoよりAmaro(ne)「(結構)渋みのある美味しい赤ワインだ!」と絶賛し命名。この地域の「Vino amaro」(渋いワイン)は紀元前49年ローマの詩人Catullo(カトゥルス)の詩に登場。5世紀には東ゴート王テオドリックも絶賛。
◯Recioto della Valpolicella(DOCG) / Recioto della Valpolicella Classico(DOCG) / Recioto della Valpolicella Valpantena(DOCG)
Amaroneのアルコール発酵途中で止めた甘い赤のデザートワイン。最低アルコール度数14%。デザートワインの中でも珍しくチョコレート。に合う、カカオと油脂に負けないタンニンとアルコールを感じるワイン。
参考資料
Consorzio Tutela Vini Valpolicella