1kgのパルミジャーノに14リットルの牛乳が濃縮されていれば、それだけ栄養価が高いのは昨日お気づきいただけたかと思います。
イタリア人の元気の素はここにも(^^)
さて今日はもう一つのグラーナについてです。
今日もお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
昨日の「パルミジャーノ レッジャーノ」に比べ「グラーナ パダーノ」はどんなものか。
「グラーナ パダーナ DOP」
こちらの歴史は1134年ミラノ郊外南部にあるキアラヴァッレ修道院が最初に作り出したと言われれます。ほぼパルミジャーノと同時代と考えられますよね。
当時の修道士たちは「caseus vetus = 古いチーズ」とラテン語で読んでいたようですが、一般的人はラテン語の理解力がなく、口当たりがザラザラしていたことから「ザラザラ=grana」チーズ呼んでいたようです。
こちらは5州(エミリア ロマーニャ州・ロンバルディア州・ピエモンテ州・トレンティーノ アルト アーディジェ州・ヴェネト州)と非常に広大な地域で生産可能なんです。そして牛は牧草だけでなく飼料もトウモロコシ・大豆・穀物も食べさせることができ、凝乳酵素も一時はいろんなタイプを使用することができたのが仔牛に限定されるように。また大きな違いは食品添加物としてリゾチームの使用が許可され、生産も1日2回許可されています。
熟成期間も短く9ヶ月から24ヶ月の2段階。(早く現金に。。。)
生産状況の違いは味わいや値段にどのように影響しているか ?
まず味わい
グラーナは牛乳っぽい(両方とも牛乳が原料ですが)バターに近い味わいがあります。パルミッジャーノは昨日もお伝えしましたが緑緑した牧草の時と干し草を餌にする季節によって、草の香りの違いを感じることもあります。
パルミッジャーノの山で作られたものは、一層味が濃く香りも豊かです。
年数を経れば経るほど濃厚感は増します。
またパルミッジャーノは高品質で熟成が増すとミネラル分がクリスタル化して白い結晶がところどころ見つかります(ちょっと口当たりがシャリ・ザラともします)。昔は輸入元でさえ「異物混入」なる判断をした企業もありましたが、現地では最高級品としてとても貴重に高価になります。
さて大雑把な値段の比較ですが、
グラーナ パダーノ大玉(39-41kg) 9ヶ月熟成 約250ユーロ(約32,500円)〜
パルミッジャーノ 大玉(39-41kg) 12ヶ月熟成 約400ユーロ(約52,000円)〜
グラーナ パダーノ大玉(39-41kg) 12ヶ月熟成 約330ユーロ(約43,000円)〜
パルミッジャーノ 大玉(39-41kg) 24ヶ月熟成 約530ユーロ(約69,000円)〜
パルミジャーノ山産 大玉(39—41kg)24ヶ月熟成 約900ユーロ(約117,000円)〜
17-18世紀ごろには借金の代わりに現物で支払ったりしてたようです。
ほとんど知られていませんが、現代ではパルマ市場で市況もあり、およそ15億ユーロ(約2,000億円)の市場規模があるそうです。
そのまま生でかじって食べるのも美味しいですが、パルミジャーノやグラーナの熟成期間の長いものは粉にしてオーブンで焼くとサクッと軽いスナックになりますが、他国の「パルメザン」で同じことをしようとすると。。。油脂・水分が多いためベチョっと脂っこい「ナニコレ?」ニッチャリ熔けチーズになります。
用途目的によって使い分けるといいと思います。
今日も最後までお付き合いいただきありがとうございます。
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